2011年01月04日 東京駅 BGM:天誅 - 頭狂アンダーグラウンド

おっかさん、東京は怖いところです。




時の止まったように静かなムーンライトながらの車内、武田の目が覚めたのは午前四時。

洗面所で顔を洗おうにもそこだけは結構な人が出入りして行き辛く。というわけで今日の旅について考えようとしたわけです。

当初の予定では到着から山手線始発に乗り直接目的地入り、東京からの移動に片道三時間強×2。目的地での行動を三時間と計算して午後八時の待ち合わせに三、四時間の余裕があります。

そして手元には死なない程度に生きている携帯電話と携帯用乾電池式充電器、もはや死に損ないのコンデジ、、そして電池切れで息絶えたipod。…まあ、ここは始発で東京を出ずに電源のある飲食チェーンを探すのが一番いいでしょう。そうしましょう。

ただ、今回は携帯の電源が心もとないので、野性の勘を存分に頼って捜索しようと思います。

東京駅。まずは東京駅周辺を捜索しようと思いましたが

やだ… 絶望的に工事中じゃないですか… こわい…

と、いうわけで東京駅での捜索は早々に諦めまして、山手線で高尾方面に最も近い駅、新宿に移動します。

新宿駅なら24時間営業のファーストフード店くらいある、という期待を抱いて駅周辺を捜索。確証はないけどシティーハンターでバーガー店を見たので間違いはないと思います。この発想は見事にビンゴ!しかし、唯一にして最大の問題はそのお店が電源コンセントの使えるお店じゃなかったって事ですかな… 二件目にも電源がなく、戦いはコンデジの充電手段が見つかるのが先か、俺の腹が充電されすぎて破裂するのが先かの互いに手の内の小出しを繰り返す持久戦に突入したのでした。

いや、二件ともガッツリ喰うなよ俺…(自分で突っ込み)

※なお、電源についてはネカフェに行くことで事なきを得ました。いちいち手段が回りくどいんですよ俺。


山手線の輪から抜け出し、中央線から高尾方面に向かいます。さて、今日の目的地はどこでしょう?

やまなし。 すげー!東京の電車テレビついてるー!

高尾駅到着。そのまま中央本線に接続。このあたりになると東京らしさがなくなった、また新しい景色を望めるようになります。山手線のもっとも東京らしいビル群が住宅街に移り変わり、そこから徐々に渓谷の淵の農村に変貌していく様は日本の神秘を垣間見るようです。

なんだこれ

そして新宿から二時間を掛けて、大月に到着。笑点で青とオレンジがお互いからかっている場所で有名ですね。接続電車をゆっくりと待ちます。

大月付近には室町時代末期の名城岩殿城もあるので行ってみてはどうでしょうか。

大月から中央本線を下ります。

もうですね、ここ一帯の景色があまりにも素晴らしいわけですよ。電車で走り抜けるは住宅と畑、そしてなんと言っても後方一帯の山。山。山。…関東の人は一度中央本線に乗ればいいんじゃないかと思いますよ。こんな景色を野放しにしておくなんてもったいないです。

そして今回の目的地。武田神社の最寄駅である甲府駅に到着しました。

武田神社はその名のごとく武田信玄を祭神とする神社であり、その地も武田氏の居館であった躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた)の跡地に建設されております。そうです。私の実家です。(違うと思います)

山梨県の県庁所在地である甲府。山梨はりんごなどの山の幸が魅力的ですが、その山梨の甲府駅は、それとは変わって宝石の町であることを強くアピールしています。駅には宝石で作られた壁画や宝石をモチーフにした待ち合わせ場所があるほかにも、各月の誕生石を紹介するコーナーも併設されております。

…ここをマルコポーロが通ったら「宮殿はあらゆる場所が宝石で埋め尽くされ、民家はみな黄金で出来ている」とか書かれますよ。怖いなあ。

この「かんすけ君」「まさむね君」に見えて仕方がない。

俺通り!(違います)

俺通り!(違います)



そんなわけで武田神社まで徒歩でエッチラオッチラ歩きつつ「武田」と名のつくものを俺の所有物であると勝手に認定する痛い子ごっこをしてた訳ですが、甲府駅から武田神社まで徒歩でおよそ20分強。その20分、ずっと直線上り坂。予想外の山登りに足は不平を垂れております。やはりこの旅で事前調査することの大事さを身をもって味わっている気がします。

※甲府駅から武田神社付近までの路線バスも運行しているようです。ただ、道中に武田家臣の居館跡を知ることの出来る地図や、家臣の功績を記した案内表示があったりするので徒歩で行くことをお勧めしたいです。

ついたー。やはり三が日だけあって人が多いこと多いこと。

熱田神宮に挫けた武田さんですが、今回は挫けませんよ。

俺の 実家だから

キーンコーンカーンコーン

苦節30分ほど、本殿に到着。

そして参拝完了!脇にそれる!何を願ったかは忘れた。

というわけで武田さんの実家帰省、こと武田神社参拝は早々に終了したのですが、武田神社には宝物殿こと博物館が併設されております。武田信玄に限らず当時の生活や戦をしのばせる資料が数多く存在します。特に教科書でよく見る武田信玄の肖像画や、風林火山の旗の実物が展示している他にも、大河ドラマなど武田信玄を主人公にした映像作品のポスターがあったりと、戦国時代に造詣が深くない方でも楽しめる場所であります。

それにしてもなぜハローキティがいるのだ※サンリオ社長が甲府市出身のため

あと、館内では1分の1,2ぐらいはありそうなでかい武田信玄像と記念撮影が出来たりします。是非。

そんなこんなで実家、もとい甲府を後にするのでした。

…お守りなど諸々買って、宝物殿で研究図説買って、果ては土産屋でTシャツなど色々と買って。幾ら掛かったかは考えたくないですが実家に帰省したのですしこの程度のお土産は必要ですよね!必要ですよね。ははは。はははのは!あっ、下り坂がやけに軽く思えるぞ。荷物は増えたのになあ、あっ、財布が軽くなったからかーハハハハハ

この両手の荷物が全て実家からの餞別だったらすごくいいのに。(白目)

そして、私は甲府を後にしました。さらば、実家。





余談。

甲府名物としてそれなりに名高い桔梗信玄餅。ただ、福岡人にお土産として持って帰ると面白い反応をしてくれると思います。と、言いますのも、福岡には筑紫もちというお菓子が存在するのでして…

帰宅後に両者を比べてみたところ、信玄餅のほうが大きく、きな粉も多めです。黒蜜は好みの問題があるので一概には言えないのですが、筑紫もちのほうがとろみがある印象があります。まあ、こういうことを片隅においておくと福岡の友人の微妙な顔が見たいときに役立つと思います(よしなさい)

あと、新潟にも上杉謙信にちなんだ出陣餅というお菓子が存在するようで…


甲府から東京方面に戻ります。

甲斐大和駅。武田信玄の息子、勝頼の自害した地として知られている天目山が付近にあることで知られています。…って!え?こんな駅の近くにあったんですか!

暴れん坊天狗(違います)

再び新宿。東京に来たら一度は拝むべきスポットに向かいます。東京といったらアレですよね。ムフフフフ。



東京一の萌え萌えキュンキュンスポット、高田馬場に到着しました。他の場所を想像した諸兄方、残念でした。 …うるせえ!俺がキュンキュンするスポットだからいいんだよ!

探索途中に予想だにしなかったいいものを見れた。僥倖。圧倒的僥倖。

それでもって、高田馬場ミカドに到着いたしました。

高田馬場ミカドをただのゲーセンと侮るなかれ。格ゲーやシューティングゲーのラインナップが豊富というだけではなく定期的に大会やスーパープレイヤーによる実演プレイの鑑賞会が開かれ、かつ(来訪当時)アウトランメタルホークファンタジーゾーンパカパカパッションアルカノイド、エトセトラエトセトラ… といった所謂アーケードゲームと来訪者への愛にあふれたゲーセンであり、今回の目的であるタイトー80年代後期の鬼作、ニンジャウォーリアーズダライアスシリーズがプレイできる全国でも数少ない場所でもあります。

ダライアスとニンウォリには個人的に太鼓の達人の収録楽曲に触れて以降、ある意味自分をさまざまな道に引き込むほど生涯で語り草になるであろう名曲の一つと思っており、楽曲とTAITOに対するせめてもの恩義として一度実物を拝んでみたかったのです。背伸びしたがりの多感な思春期にこの楽曲らに触れることが出来たのは非常に幸運であったと言わざるを得ません。

それでまあ、暫くはダライアス(初代)やってる方のギャラリーをしてたわけですがもうみんなポンポンポンポンクリアするわけですな。シューティング(というかアクションゲー全般)の腕がからっきしな武田さんには音楽が聴けるので有難いっちゃ有難いんですがプレイする皆が皆ノーコンで最終面そこらまで行っちゃうのは有難味がないといいますか…



その後にニンジャウォーリアーズをプレイ。まずひとつ、コイン投入音がですね。
(ジャキィィン)(デレレレルッ デッテッテテレーッ!!)

(ハアーッ)

惚れる。

ニンジャウォーリアーズのゲーム内容自体は左右から来る敵を近接攻撃のクナイと遠距離攻撃の手裏剣(弾数制限あり)を使って倒す、といったいたってオーソドックスなゲームなのですが、それを補って余りある革新的なBGM群、そして専用の三画面筐体から発せられる重低音が非常ににくい演出をするわけです。

そしてですね、ニンジャウォーリアーズを語る上ではずせない一面道中曲、

DADDY MULKがあるわけですよ。

20年強、つまり自分の生まれる前からこのような音楽が存在すること。そして今でも革新的と名高い津軽三味線ソロの迫力といったら。過去にビートルズやYMOが革新的音楽といわれそれに影響を受けた人が数多く居るように、「DUDDY MULK」は自分にとってのリアルであり、タイトーのサウンドチームZUNTATAとそのメンバーOGRは自分にとっての革新的音楽の師である事を強く実感しました。

「DUDDY MULK」と併せてダライアスの一面道中曲「CAPTAIN NEO」は太鼓の達人や最近だとミュージックガンガンなど、ゲーセンでの音ゲーでも耳にする機会こそありますが、やはり個人的には出来ることなら、こうやって実機に触れて、「当時の状況そのまま」を疑似体験しながらこの曲を聴いていただけると事実、この場所でしか得ない、当時そのままの感動を共有できるのではないかと思っています。





※これだけ熱気むんむんに語っておりますが、ゲームプレイ自体は二面の戦車で3クレほど削られたので諦めました。三面道中曲CHE!もまた名曲なんですがね…


その後は親戚との待ち合わせで池袋へ。元気そうで何よりでした。その親戚は昔からデザイン、造形関係を趣味に、今はドールを迎え自分のコス衣装型紙の作成も引き受けてくれたりと、幸せな趣味生活を営んでいる自分をオタク趣味へ引きずり込んだ戦犯その1であり、それゆえに親戚の中で旅行中どんな写真を撮ったかを全部見せれる数少ない人間でもあります。

かーちゃんたちには内緒だぞ。

本日の夕食はばんから。その中でもとんこつ福岡民もびびるくらい非常に濃い「角煮ばんから」なるものを頂きました。いやあ、角煮がガチでやわらかい。表現がおかしいのを承知で言えば舌で噛めるようにやわらかい角煮が限界まで溶けたようなスープも非常に個性が強く、好みの差ではあるものの面白いラーメンであります。

個人的にスープは飲むのが礼儀だと思っています。(意見には個人差があります)

あとはとらでセンゴク桶狭間の最終巻を買ったり

コナミの新しい音ゲーにDAFT PUNKが入ってることに興奮したり




アダルトショップで凄くあほらしい豆知識を教えてもらったり…

まあ一応自分もそういう年齢ですし。こういうところには一度行ってみたかったのですが。なんといいますか、実に言ってる事が生々しいといいますか。どの道魔法使いになりそうな戦国大名には刺激が強すぎますです。

その後渋谷を離脱し単身東京へバック。お二方ともお元気でー。ムーンライトながらで中部に戻ります。

三が日の終わりからなのか東京という土地柄なのか、どうも昨日より人が多い。昨日は運よく隣に人が居なかったわけですが今回はどうなるのかドキドキ。

…すでにお隣さんがご乗車されてました。ぎゃふん(死語)。 トイレや洗面所にに行き辛くなるし(窓側)何より安心して気持ちを休められるか心配なところであります。まあ、元はといえば夜行列車と寝台列車の意味を間違えてた私が悪いのです。

そして東京を発ったムーンライトながら。とらで買った漫画を読みながら、この日の夜は更けていったのでありました。

(続く)


武田神社宝物殿
午前9時30分〜午後4時30分 年中無休
入場料:大人300円 小人150円

JR甲府駅北口から「武田神社」、「積翠寺」行バスで8分


高田馬場ミカドinオアシスプラザ
午前10時〜午前0時 年中無休

JR山手線 高田馬場駅戸山口から徒歩1分弱
東京メトロ 高田馬場駅1番出口から徒歩1分弱
西武新宿線 高田馬場駅早稲田口から徒歩1分